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認知症にはさまざまな型がありますが、治療が可能な認知症として良く知られているのが

「正常圧水頭症」です。

「アルツハイマー型」の場合は、脳の、主に「海馬」と呼ばれている部分に萎縮がみられ、

現在の医療では、進行を遅らせることができても、症状を改善させることは難しいといわれています。

それに対して「正常圧水頭症」は同じように「記憶の障害」「簡単な計算ができない」
などの症状がみられますが、脳に溜まっている「髄液」がなんらかの異常で増えてしまい、

「脳」を圧迫してしまうタイプです。

「脳の圧迫」により、記憶の領域だけでなく、運動、特に歩行に影響をもたらす場合があります。また、一般的に「頻尿傾向」になってしまうようです。

「正常圧水頭症」の方を何人か担当させ頂きましたが、認知症状歩行の障害による「すりあし歩行」「頻尿」3つの指標すべてにあてはまる方がほとんどでした。

そして、「脳室」内の「髄液」をバルブを用いて排出する「シャント手術」を受けられた方のほとんどが、「劇的な変化」を遂げているのをみてきました。

もちろん、この「劇的な」という言葉は、何十人も「アルツハイマー型」の認知症を見てきたので、「認知症は治らない」「どんどん進んでいってしまう」という現実を目の当たりにしてきたために、わずかな改善であっても「劇的な」改善に思えてしまうだけなのかも知れません。
手術を受けられた方は、歩行状態の良くなる方、認知症状の改善される方などさまざまでしたが、ご家族がびっくりするほど良くなられた方も入れば、手術をしたけれども、さほど変化がみられない方などさまざまです。
ですから、正常圧水頭症の診断を受けても、シャント手術をしても必ず改善に向かうという保証は無いそうなのです。しかし、僅かでも改善する可能があるならば、多少のリスクを冒してでも手術をしたいという熱心なご家族と何人かお会いいたしました。
一般的な傾向として、早期に治療した方が回復の度合いは大きいようです。

認知症になると、「もう治る事は無い」とあきらめてしまいますが、「正常圧水頭症」に限って言えば、「症状が改善される可能性がある」と言われています。

それは、脳の細胞が破壊されてしまったわけではなく、髄液によって脳が圧迫されているため、その髄液の量を調整すれば症状が改善される可能性があるからです。

近い将来、「認知症の進行を遅らせる」だけでなく、「進行を食い止める」薬も発明されるかも知れません。

もっと言ってしまえば「失われた脳細胞を回復させる」

そんな夢のような話しが実現する日が訪れるかも知れません。

人間は「空」に対する憧れを持ち、「鳥のように空を飛びたい」と夢を描いて飛行機を発明してしまいました。

そればかりか、人間は「月」にまで行って、憧れの月の表面に降り立つことができたのです。

「認知症を治す薬」
そんな夢が適う日も、それほど遠くは無いのかも知れませんね。