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「おじいちゃんがいないくなってしまったんです。一緒に探して頂けませんか?」

ケアマネージャーに限らず、デイサービスや特養などの施設に勤められていた方は、こんな電話を受け取ったことがおありだと思います。

普段、徘徊とは無縁だった方が、「ある日突然」スイッチが入ってしまうことも良くあります。しかしながら、歩行が不安定だったり、信号が良くわからなかったりすると、とても危険ですよね。

すぐにでも探しにいかなければなりませんが、闇雲にさがしに行くのではなく、ある程度の情報収集は必要です。

私は電話を受けた時に、まずご家族にこんな質問をします。

 

「今日は、どんな服を着られましたか?」

 

認知症になってしまうと、自分ひとりではうまく服を着ることができなくなってしまう方もいらっしゃいます。

服をうまく着たつもりでも、ボタンを掛け違ってしまったり、前後ろがさかさまだったり、

「服に着替える」という意欲が無くなり、寝間着で一日過ごされる方もいらっしゃいます。

ですから、ご家族はその日、どんな服装をしていたか、自分でお手伝いをしたので覚えていることが多いのです。

 

「靴を履いて出たか」

ということもお聞きしますね。大抵は履き慣れている靴ですとか、お気に入りの靴を履いて出かけます。でも、靴を履いていないで道を歩いていたら、
まず、警察の方が保護してくれます。近所の方も「あれ?」ってすぐ気が付きますよね。

逆に言うと、靴を履いていないで街を歩いているご高齢の方を見かけたら、声をかけてあげて下さいね。警察に連絡をすれば、すぐに身元を調べて下さいます。

 

「荷物を持って出たか?」

それは、お気に入りのかばんが自宅にあるかどうかで、容易に推測ができます。

認知症の方は、大概、同じ服、同じかばん、同じ靴を履く傾向にあります。

選択の幅が狭まってしまう、これも「意欲低下」と関係するのかも知れませんね。

でも、何も持たずに出て行ってしまうこともあります。

そうなると、その日着ていた服装、年齢や背格好だけで探さないいけなくなりますね。

 

徘徊にはルートがある!?

 

徘徊と聞くと「どこえともなくさ迷い歩く」というイメージがありますが、

実は、「使命感」によって決められたルートを辿る方がかなり多いのです。

 

認知症の方は、今の事は忘れてしまっても、昔のことはとても良く覚えています。

夜中突然起き出して、「会社に行く」と言いながらきちんと服を着替え

夜中、まっすぐに駅に向かって歩き出す男性の話を良く聞きます。

 

ご家族が起きている時間帯であれば、玄関で食い止められますが、

真夜中にこんなことが起こると、翌朝、ご家族が目を覚ました時に、

 

「おじいちゃんがいない!」

という事態に発展するかも知れませんね。

 

「徘徊にはルートがある」場合も結構あるので、普段の話しの内容から、

その方が行きそうな場所を探してみるのがとても有効的です。

 

今はまったく煙草をすわなくなった、元ヘビースモーカーのおじいちゃん。

突然スイッチが入ってしまったのでしょうか、突然姿を消してしまったので、

「もしや」と思い、昔通っていた「タバコ屋」さんに行ってみて発見したこともありました。

発見した時には、「煙草を買おうと思った」という事もすっかり忘れていましたが・・・。

普段の会話から良く口にされる言葉。

「どこどこのお寺さん」とか「どこどこで良く買い物をしていた」

など、チェックしておくのも大事なことです。

 

今は行っていなくても、昔行っていた場所。

 

思い出の場所に、ある日、突然。

ひとつの「使命感」によってそこに向かって歩き出すということも

度々みかける行動なのです。

昔、どんな趣味を持っていて、どんな場所に行っていたか。

昔のことは結構覚えているものです。

普段の何気ない会話をメモしておくといずれ役に立つ日がくるかも知れません。