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もしも、自分が認知症になったら

15年以上も認知症の方と向き合いながらいつも思うことがあります。

もしも、自分が認知症になったら。

もしも、家族の誰かが認知症を発症してしまったら。

ケアマネージャーだから、認知症の扱いに慣れているだろうと人は言うかも知れません。しかし、実際に自分が認知症を発症してしまうことを想像すると恐ろしい気がいたします。

認知症とどう向き合えばよいのか。
今日は、認知症としっかり向き合える素晴らしい映画を紹介したいと思います。


1.アリスのままで(STILL ALICE)

2015年に公開され、ジュリアン・ムーアさんがアカデミー賞(主演女優賞)を獲得した人気映画です。原作本も全米で200万部、31の言語に訳されて世界で1800万部も発行されたというから、その内容の深さが伺いしれますね。

ハーバード大学の言語学者であった「アリス」がその講演の途中、いくつかの単語が出てこなくなってしまうのです。
言語学者が言葉を忘れてしまうというのは、どれほどの苦しみであったことでしょうか。
アリスは脳神経外科を受診、そして、「若年性アルツハイマー」と診断されるのです。

「若年性アルツハイマー」40歳代後半でも発症することがあり、発症する平均年齢は51歳。
「若年性」の場合、よく進行が早いと言われますが、初期段階では認知症とは気が付かない事が多いようです。

この「若年性アルツハイマー」をジュリアン・ムーアさんは映画の中でみごとに演じきります。
毎日のように忘れてしまう記憶と戦いながら、自分にビデオレターを残したり、何度も同じ話しを繰り返す自分を、その夫のとまどいの中に感じたり、長男やそのガールフレンドとの会話の中に、失いつつある「自分」を見つめていくのです。

アリスはハーバード大学の言語学者として名声を博していましたから、その「喪失感」はすさまじいものがありました。

今まで築き上げた物をすべて失ってしまうのです。そして、彼女は「自分」すら失っていくのです。

でも、失わないものがありました。それは、彼女を必至になって支えていく「家族」です。

この映画は、もし、自分の家族が認知症になってしまったら、どう接していけば良いのかを教えてくれる映画です。

もちろん、映画のようにはうまくいかないかも知れません。でも、ジュリアン・ムーアさんは自分が認知症であることを「受け入れる」こと、そして、「どう向き合っていくのか」を映画の中で教えてくれます。そして、家族の優しさや、どう対処したら良いかわからない苦しみも共に分かち合っています。

認知症とどう向き合ったら良いのか。

それを実際に体感できるような、そんな素晴らしい映画です。