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2.脳血管性認知症

アルツハイマー型認知症の次に多いのが、脳血管性認知症です。

アルツハイマー型認知症が、アミロイドβと呼ばれタンパク質の蓄積によって脳細胞が破壊されてしまうことが原因であると考えられていることに関して前回ふれました。

脳血管性認知症は、脳梗塞(脳の血管がつまる病気)や脳出血(脳の血管が破れて出血する)また、くも膜下出血などによって脳の細胞に酸素や栄養が送られなくなるため、細胞が壊れてしまうことが原因と考えられています。

そのため、認知症の症状は、障害を起こした脳の部位によって様々です。

たえば、「記憶をつかさどる領域」に障害が起こると、物忘れをしたり、計算が出来なくなってしまいます。しかし、正常な部位の能力は機能しているため、判断力やその人が今まで培ってきた「専門知識」などは概ね維持されている傾向があるようです。

血管の病気を引き起こす原因は動脈硬化です。動脈硬化の危険因子として、高血圧、糖尿病、心疾患、脂質異常症、喫煙などがあります。脳血管性認知症は、生活習慣によって引き起こされるといえるでしょう。

そのように考えると、生活習慣を変えることによって、このタイプの認知症はある程度の予防効果が期待できるかも知れませんね。
脳梗塞や脳出血という病気じたいも恐ろしい病気なので、喫煙を辞めるとか、塩分を控えめにするなどのちょっとした工夫が認知症の予防にも役立つかもしれません。

さて、脳梗塞や脳出血などの「脳血管障害」を起こした後に認知症状が急激に出現した場合、、良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら進行するようです。

特に、脳梗塞などの場合は、発作が起こるたびに症状も進行するため、発作を防ぐための予防が必要です。脳梗塞の再発防止のため、良く、血液をさらさらにする薬を飲みますが、これは脳などの血管が再び詰まってしまうのを予防するためです。

しかし、出血も起こしやすくなってしまうため、転倒してけがをした時などは普段より多く出血しますし、血も止まりにくくなります。歯の治療などで抜歯する場合は、だいたい1週間くら前にこのお薬の服用を一旦中止したりしますよね。
私の担当した方で、脳梗塞と脳出血の両方を起してしまった方がいて、脳梗塞の予防のために血液をさらさらにするお薬が飲めず、困ったことがあります。血液をさらさらにするお薬を飲んでしまうと、脳出血を起しやすくなってしまうからです。

脳梗塞の治療に関しては、「t-PA」という、血管を詰まらせていた「血栓」を溶かすお薬があるそうです。ただ、脳梗塞を発症してから4時間半以内にこのお薬を投与しないと、脳出血を起す危険性が高くなってしまうそうです。

何にいたしましても、生活習慣の改善。それが脳梗塞や脳出血の予防に繋がり、ひいては、そこから引き起こされる、脳血管性の認知症の予防にも繋がっていくみたいですね。