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毎年、3月11日が近づくと、震災後、福島の地で見た光景を思い出します。

今日は、復興に向けた大槌町の取り組みを、武井博先生が書かれた本

「泣くのはいやだ、笑っちゃおう」-「ひょうたん島」航海記(アルテスパブリッシング)

の中の1つのエッセイをご紹介したいと思います。

 

根元から折れた蓬莱島の灯台

岩手県上閉伊郡大槌村の海岸近くに「ひょうたん島」として親しまれている蓬莱島があります。

この島には灯台があるのですが、2003年に灯台点灯50周年を記念して

「ひょっこりひょうたん島」のテーマソングがチャイムの代わりに流されるようになったのです。

ところが2011年3月11日。東日本大震災によって、この蓬莱島の灯台は根元からぼっきりと折れてしまったのです。
その日を境に、あの「ひょうたん島」のテーマソングが街に流れることはありませんでした。
放送を続けることができなくなってしまったのです。

 

「ひよっこりひょうたん島」のテーマソングをもう一度

そんな中で、大槌町役場の佐々木健さんが立ち上がりました。

「町の人たちに勇気を与えたい」

佐々木さんの思いが広がり、灯台の再建に向けて、海上保安部が灯台のデザインを一般公募。
岩間みな子さんのデザインが採用されました。

灯台の本体は砂時計のイメージでデザインされました。

「時間が経てば、必ず大槌町は雄雄しく復興する」
そんな願いが込められていたのです。

そして、一番上の炎の部分は、水平線より昇る朝日をデザインしていました。

「大槌の未来は明るい」という希望に溢れたデザインでした。



再建された蓬莱島の灯台

2012年12月13日。蓬莱島の灯台はみごとに再建され、町中の人たちが集まって喜びの点灯式が行われました。

「丸い地球の水平線に 何かがきっと待っている。」

再び大槌の町に「ひよっこりひょうたん島」のテーマソングが流れ、この蓬莱灯台は町の再建のシンボルになっています。

 

佐々木健さんからの1本の電話

蓬莱灯台の再建のために尽力した佐々木さんから、「ひよっこりひょうたん島」の産みの親である、元NHKデイレクターの

武井博先生の元に1本の電話が掛けられてきました。

「武井さん、明日、いよいよ灯台に明かりが燈ります。」
「泣くのはいやだ、笑っちゃおう!」という希望をもたらしてくれるのが「ひょっこりひょうたん島ですよね」
「これからの復興の旗頭になってくれたらいいと願っています。」

武井博先生は、井上ひさしさんや、NHKの、本当にたくさんのスタッフと共に、子どもたちに夢を与え続けてきました。

そして、そのテーマソングは大槌の町に、今も復興への希望を与え続けています。

武井博先生は93年にNHKを退職し、神学校に入学。99年から「横浜カルバリー・チャペル」の牧師として、

毎週日曜日、講壇から「生きる希望」を語り続けておられます。